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内覧会でチェックすべき項目。元施工管理が教えます【新築マンション購入】

一生で一度と言われる新居購入。

その中でも分譲マンションを購入された方には

引渡し前に内覧会(竣工検査)というものがあります。

これは購入者による住戸の最終確認になるのですが

建築の素人である購入者には何をチェックすべきなのか分からないはずです。

形だけ検査してサインして終わり。 そして入居後にあれこれ不満がでてくる方が多いので、元施工管理の私がチェックすべき項目を紹介したいと思います。

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内覧会の背景

事業主側

内覧会を開催するにあたっての背景ですが、マンションを建てる事業主側からすると引渡し日(入居開始日)を迎えると建築物の所有権が事業主へ移ります。

そうすると建物に関する問題等はすべて事業主側が責任を負うことになります。

施工段階でも何度も検査をしていきますが、

そこに住むのは購入してくれた購入者自身になりますので

最終検査として内覧会が実施されるわけです。

事業主側は何十億という大金を払ってマンション工事を発注する為、

失敗は許されません。しかし大金とは言っても個人のお金ではないのです。

あくまでも会社のお金です。

購入者はどうでしょう?

約4000万ほどの大金をローンを組み、

一生に一度の買い物をすることになります。これは購入者個人のお金です。

その差は歴然で

いくら事業主が精一杯確認検査をしたところで、購入者の真剣な目には勝てません。

そして内覧会中に気になるところを見つけてもらい、

引渡し日までに施工会社へ修繕してもらうよう指示を出すわけです。

施工会社側

先述した通り引渡し日以降は建築物の所有権が事業主側へ移ります。

しかしそれは建前で、なんだかんだ施工会社がアフター対応で傷や不具合の修繕を行うことになります。

最近では最初からアフター何年間は施工会社が修繕を対応するという会社も増えてきています。

ですので、引越しが終わって入居している部屋へアフター対応へ行くよりも

内覧会時に傷や不具合があれば見つけてもらい(施工会社的には何度も何度も検査をしているので指摘0項目だと信じています。笑)

引渡し日までに修繕できれば、わざわざ入居している所へアポを調整し業者を手配するより何倍も手間が省けます。

一応、社内的には指摘項目数が少なければ少ないほど良い評価を貰えるため

指摘0項目で抑えようと内覧会をぱぱっと済ませようとする所もあると思います。

しかし購入者が納得するまでじっくり見ることを私はおすすめします。

内覧会で確認するポイント

機器説明

まず内覧会では、スタッフによる機器説明が入ります。

例えば玄関の鍵であったり、インターホン・キッチン周り・床暖房・24時間換気など色んな機器の説明を受けます。

これに関しては聞いておくと分かりやすいですが、

入居までまだしばらく期間があると思いますので、話半分で聞いておきましょう。笑

取り扱い説明書も配られますので分からなくてもそちらを見れば大丈夫です。

ただ、インターホンや警報の機能チェック。換気扇や24時間換気等、問題無く動くかどうかはこのタイミングでスタッフと一緒に確認しておきましょう!

ベランダ・バルコニー

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次にベランダ・バルコニーですが、

マンションなので景観が素晴らしい場所がほとんどで、景色に見とれて肝心のチェックを怠ってしまう購入者が多くいます。気持ちはわかります。笑

が、しっかりと見ていきましょう。

①物干し竿を吊るすラックがあれば、しっかりと固定されているか

②雨水が流れる溝のゴールである排水溝にゴミが詰まっていないか

③手すりの金属や塗装部にささくれや割れは無いか

④ガラス手すりの場合はガラスに汚れが付着していないか、割れていないか

⑤部屋との足元の境目の防水はきちんと施されているか

この5点をしっかりとチェックすればベランダ・バルコニーはOKです。

部屋へと戻りましょう。

ドア類・窓ガラス・サッシ枠

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次にこちらですが、

①表面上に傷や汚れがないか

②ドアを全て開け閉めしてみてキーッツと音がしないか、または不自然に重くないか

③鍵は問題なく施錠できるか

④網戸がやぶれていないか(実はよくある)

⑤サッシ枠を触ってみてささくれや割れはないか

この5点を確認しましょう!

下足入れ・収納棚等

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次にこちらですが、

①扉の表面上に傷や汚れはないか

②扉の開け閉めは問題なくできるか、不自然に重くないか

③中の戸棚が割れていたり補修跡が残っていないか

この3点を確認しましょう!

クロス(壁)※重要項目

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次にクロスですが、とても重要なので見出しにも※重要と入れさせていただきました。

①クロスとクロスの継ぎ目が浮き出ていないか

クロスは施工上の問題でどうしても継ぎ目が発生します。職人によって腕が様々で腕が悪い職人さんが施工している場合、継ぎ目が目立つ場合があります。

一箇所でも継ぎ目が目立つ所を見つけた場合は他の部分も疑い、しっかりと見ていきましょう。

②クロス表面に不自然な浮き(ブツ)ができていないか

クロス表面をじっくり見ていくと、多少浮き上がっているような場所がある場合があります。その時もしっかりと指摘を上げましょう。すぐ修繕可能です。

③クロスとドア枠の取り合い部分が乱れていないか

クロスが白色の場合、クロスとドア枠との取り合い部分は白のコーキング材で処理されていることがほとんどです。綺麗に処理されていれば問題ないのですが、

処理が甘く波打っていたりそもそも処理忘れ。なんてこともあります。

こちらも見つけ次第すぐに指摘を上げましょう。すぐ修繕可能です。

④変色していないか・傷や汚れはないか

他の部分同様、傷や汚れが無いか見ていきますが

違うのが変色があるかないか。

クロスは大抵白色のものを使用することが多く、長いこと日光に当たっていたりすれば

変色していることもあります。こちらも指摘を上げ、張り替えてもらいましょう。

フローリング(床)

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最後にフローリング(床)です。

ワックスがけをするかしないかで多少見方は変わってきますが基本的には一緒です。

おそらく入居後一番に傷がつく部分がフローリングになりますので内覧会の時点で不具合を見つけ指摘しておきましょう。

①表面の傷や汚れはないか

②踏んだときの不自然な音鳴り、沈みはないか

③変色しているものはないか

こちら3点を確認してもらえれば大丈夫です。

まとめ

以上、内覧会でチェックすべき項目を説明させていただきました。

いざ自分が検査してみると、「こんな小さな傷を指摘にあげていいのかな?」

などと考えてしまう方もいると思います。

しかし、自分の中で小さなしこりだったものが後々大きなしこりへとなっていくものです。

気になったらすべて指摘で挙げましょう。

建築素人だと分からない部分もあるかと思いますが、その際は同行スタッフへその都度聞き、疑問を解決していきましょう。事業主・施工会社・内覧スタッフ一丸となって対応してもらえるので、この機会を逃すと損です。笑

なお、分からないことや質問がある方は私のほうまでお問い合わせください。

読んでいただきありがとうございました。

 

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