こんにちは!さとうです。
昨今、働き方改革が世間を賑わせている世の中ですが
最もブラックと言われている建築業界について、
元施工管理職の私が主な業務。給料・休日の実態等を紹介しようと思います。
気になるのは、実際に働いている人は
どのような仕事をしてどのような生活をしているのか?
分かりやすく伝えていきます。
施工管理の主な仕事
品質管理
まず建物を建てる上で、品質というのはまず守らないといけない項目となります。
例えば構造計算された構造図書を基に現場で施工していく中で、
鉄筋コンクリート造であればコンクリートの強度や鉄筋の本数、径など
こと細かに指定されています。
構造計算されているものから逸脱して施工してしまうと
強度が上手く出なかったり、性能面で劣ってしまったり、
最悪 巷を賑わせるような偽装問題へと発展してしまいます。
(某A歯さんや杭の支持層未達等)
そのような項目が建築現場では無数にある中で、
まず自分がしっかりと理解し建築現場で実際に施工する職人さん達へ
正確に指示を出し、工事を進めなければなりません。
現場によっては200人を超える職人さん相手に品質管理をしなければならないので、
日中は建築現場を走りまわり指示を出すとともに、施工完了した箇所の確認作業も行います。
また、品質管理をしっかりと行っている証拠として
書類にまとめなければならない項目もあり、その場合は施工中や施工後を写真撮影し
書類で保管する仕事も発生します。
工程管理
工程と一言で言えど、建築現場により種類も様々なのですが
例えば土木工事(道路や橋、インフラ工事など)は比較的夜間も工事を行える場合も多く、2交代制で昼夜通して工事していることもあります。
基本的な建築現場では休日は日曜のみ。
土曜祝日も稼動している場合がほとんどです。
(特定建設作業の絡みで祝日は重機や電動工具が使えない)
そこを踏まえた上で、
施主(事業主=お金を出資している企業や個人)から〇〇までに建ててくださいと工期が決められるわけです。
納期みたいなもので、要は期限を設けるからそれまでには工事完了して引渡してね!ってことです。
先ほど紹介した土木工事や、シンボルタワー・高度設計の建築物などは
比較的長く工期が設定されていることが多いですが、
対して住居に当たる一軒家やマンション・アパート等は半年や1年ちょい等
短く設定されています。
なぜ住居等は工期が短いのかと言うと、
既成のパッケージで中身だけ変えることにより
建築物の大まかな流れはいつも一緒で、細かいところで差をつける等
工期短縮の為の企業努力が背景にあるのです。
だいぶ話が脱線をしました…笑
話を戻して工程管理についてですが、
定められた工期の中で建物を建てなければいけないので
だらだらと工事を進んでいては工期を守ることができません。
工事着工時にマスター工程なるものを作成し、
引渡し日までの日程を組みます。
工事中はそれに基づいて、何日遅れ・何日貯金があるなど工程管理していく訳です。
当たり前な話ですが、建築現場はお外の仕事です。
雨が強ければコンクリートが打設できない。風が強ければクレーン作業ができない等
天候によって左右されてしまいます。
例えば、マスター工程から2日遅れていたとして
台風や大雨で工事が3日止まってしまったと仮定すると
そこで5日の遅れに膨れ上がります。
夏場などは特に梅雨や台風シーズンを迎えるわけですから
余裕を持って施工できるように、工程を前倒しで進めていく必要があります。
そこをしっかりと管理していくお仕事が工程管理の仕事内容です。
安全管理
労災における死亡事故が業種の中で1位と
不名誉な称号を持っている建築業界。もちろん安全管理のお仕事は品質管理に続く
大事な業務です。
さら地からまず掘削を行い、杭や基礎を施工していきますが、土が雪崩を起こし人が埋もれては死亡事故に繋がる起因となります。
高低差がある箇所には仮設の柵を設け、昇降階段も設けます。
安全管理においては、この”仮設”という言葉が大事です。
たかが仮設。仮設なので設置してもまた解体するから~と手を抜いてはいけません。
建物の階が上がるに連れて、柵がついていない隙間や窓等
人が落下してしまう箇所がたくさんでてきます。
そこから人が落下しないようにとか、こけて怪我をしないように等
仮設で安全設備を整えます。
他にもクレーン作業における
玉かけや有機物等の資格作業などもしっかりと安全管理をしなければいけません。
建築現場では日々、危険な場所が変わっていきますので
毎朝の朝礼時にしっかりと職人さんへ向けてアナウンスしておきましょう。
図面作成やその他書類管理
現場における主な業務内容について説明していきましたが、
他にも設計図から各現場にあわせて施工しやすいように施工図というものを作成したり、品質管理の中でも紹介した写真での品質確認・書類での品質確認等
その他やるべき事は無数にあります。
上席になればこれらに加えて施主対応や役所対応、予算管理など
目まぐるしい業務が待ち構えています。笑 かなり忙しいです。
大まかな1日の流れ
朝礼
まず、現場によりけりですが
8:00からラジオ体操を行います。
その為職人さんらは7:30には現場へ到着し
現場監督は7:00くらいには現場へ到着していなければいけません。
そうなると通勤に1時間かかるとしたら、
5時半には起きて6時前には家を出発することになります。(現場の朝は早い!)
8:00のラジオ体操が終われば
そのまま朝礼を行います。
その日の主な作業内容と注意事項。危険箇所等をアナウンスし
全職人さんへ周知させます。
朝礼が終われば
各業者に分かれてKYミーティングを行います。
これは各業者がそれぞれで作業内容や危険箇所を確認し、作業開始前の打ち合わせみたいなものと考えて良いです。現場監督は主要な業者の所へつくことが多いです。
作業開始
8:30~作業開始です。
まず朝1の搬入物を捌きます。事前に打ち合わせしていたものが搬入できているか確認し、必要であれば写真を撮り品質管理も行います。
各作業場へ行き、問題が無いか確認していきます。
問題があればその場で指示をし、分からない場合は設計へ質疑を上げたりし問題解決に努めます。
だいたい自分から行かなくても職人さんから
「ここはどうするんや~?」という電話が大量にかかってきます。
事前に工事の問題点を潰していければこうはならないかも。笑
お昼の打ち合わせ、昼休憩
12:00からお昼休憩になりますが、
その前後で打ち合わせを行うことが多いです。
打ち合わせ内容は様々ですが、主に工程に関してのものが行われます。
例えば、今日やっている作業は順調に進んでいるのか?
何日間と予想していた作業は期日通り終わりそうか?
雨の予報などを見て、日にちをずらす必要はあるか?
など、しっかりと打ち合わせを行わないと後々泣くことになります。。
私は忙しいからという理由で職人さん任せにしていた作業等で
上手くいかず、何度も泣き目をみています。(自分でしっかり確認しようね)
そしてお昼休憩です。
13:00までの休憩時間は現場監督にとっては貴重なお昼寝時間…かと思いきや、
職人さんが質問しにきたり、昼からの作業の準備などフルで休めるわけではありません。
片手間でご飯を食べ、せわしなく業務を片付けていきます。
午後~17:00
この時間帯は午前中同様 対応に追われながら自らの仕事を遂行しなければなりません。
例えば、その日予定していた作業は滞りなく進んでいるか
品質に問題は無いか、指定の材料で指定の作業順序でやっているか等。
確認作業も並行して行っていきます。
17:00になると基本的に現場自体の作業が終了となり、
職人さんらが帰っていきます。
現場の戸締りをして、安全設備等も確認して事務所へと戻ります。
夕方以降、事務所にて
職人さんらが帰るのを見届けて、
事務所へ戻ってきたらやっと自分の仕事のスタートです。
予算の無駄にならないようにきっかり計算して発注物の発注。
設計図を読み解き、職人さんへ分かりやすく伝える為の施工図の作成。(だいたいCAD使用)
撮った写真の整理と書類の作成。
検査があれば検査の準備と検査後の手直し対応等
まだまだやる事はたくさんあります。
終わらなければ終電で帰ることになり日付をまたぐことも…
検査の前日なんかは書類を完成させる為に泊まり込みもよくあります。
(最近は減っているかも?)
そしてくたくたになりながら帰宅し、
ご飯を食べてお風呂に入ったらもう寝ないと次の朝が迫ってきているわけです。
恐ろしい。笑
”現場で働いている人は本当にタフです!”
と、大まかに1日の流れを紹介させていただきました。
休日について
基本的には日曜休み
現場は日曜が休みなので、それに合わせて現場監督も日曜が休みになります。
なので6勤1休ですね。
しかし昨今は働き方改革がうたわれている世の中であり、
建築業界でも完全週休2日へ向けて徐々に休みを増やしていっています。
現に、4週6休が取り組まれており、
隔週で土曜が休みとなる建築現場もでてきています。
これは素晴らしい!
振り替え休日の存在
毎週土曜日と祝日等も出勤しているわけですから、
本当は平日に振替休日を取るのが普通です。忙しい建築現場では休めないことが多く、大概の企業では残業代や休日出勤分として給料で支払われています。
しかし、逆に全部自分で工程管理をして平日に暇な日を作れば
平日に振替休日をとることも可能になり、役所関係など土日には行きづらいところへも
行ける可能性もあります。これは個人の力量次第ですね。
給料について
施工管理職は給料が高い?
一般的に施工管理職(現場監督)は高給取りといわれています。
実際に働いていて、私も給料を貰っていましたが確かに高給でした。
同年代の他業種と比べると手取りで10万円ほど違うことも。
なぜ給料が高いのか?
ではなぜ給料が高い水準にあるのか。
まず、建築現場が危険であることから危険手当というものが基本給とは別でついてきます。企業によっては現場手当とかかな?
それに加えて1級建築士等、資格を持っていれば資格手当ても別途出ます。
さらに異常に業務時間が長い業種でもあるので、
残業代と振替出勤代が半端ない数字になります。笑
ここで他業種と差がでているのかなと考えております。
なので中途半端に小さな施工会社へ入って残業代未払いになるくらいだったら、
初めから大きなゼネコン(スーパーゼネコンも含めて)への就職を考えた方が良いです。
幸運にも最近はオリンピック需給等ありますので、
大手ゼネコンでも人手不足が著しい背景があります。
採用を増やしている企業がほとんどです。
同じ仕事をして給料が歴然と違うなら、
ダメ元でも大手へ行くことをおすすめします。
まとめ
以上、施工管理職について
仕事内容や休日・給料。大まかな一日の流れを書かせてもらいました。
現在ゼネコン各社は建設ラッシュの背景もあり右肩上がりの業績を更新しています。
その中で施工管理職への就職や転職を考えている人も多いかと思いましたので、
元施工管理職の私が簡単に記事にしてみました。少しでも参考になれば幸いです。
なにか質問等もあればツイッターや問い合わせフォームからでも受け付けていますので
気軽にお問い合わせください。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。